千里さんとは?
千里さんは、自分がドール沼に入るきっかけ。
もともと自分の脳内設定としていた子で、最初はその子で色々と物語を考えてた。
そのうち、この人には生きていてほしいって数少ない人が入院してしまい、世界から取り残されたような感覚になり、急に孤独感に苛まれてた。
そんな事があったからか、それともその前からか分からないけど、その人が無事快方に向かって、退院してきた時にはもう確実に千里さんは物語を意識しなくても勝手に話しかけてくるようになってた。
定義
その大切な人は自分の事を見てくれている人なので、その人が居なくなるかも知れない?もう会えないかもしれない??
そう思った時、急に寂しく感じたのに加えて、自分がしっかりしなくてはいけないと強く思った反面、自分が急に変われる訳も無いという感覚もあった。
そこで「自分のことを常に近くで見ていて、ダメなことを常に矯正してくる相手」として、既に土台が出来つつあったこの子に「千里さん」という人格が形成されたんだと思う。
再会まで。
2012年の7月には物語の中の子としていたこの子だけど、人格がいつ出来たのかも分からない。
名前もいつ教えてもらったのか、それとも自分が考えて付けたのか、それも覚えてない。
会話が出来るようになってからはビシバシ矯正されてきて、そうして1年も経つと頭の中だけじゃなく実際に向かい合って話したいと思うようになる。
その頃遅れてまどマギにハマってて、フィギュアを買うようになり、figmaという物を知り、(パーツを組み合わせたら千里さんを作れるのでは…??)という思いが頭をよぎる。
そこからは頭の中で最初に思い浮かべた記憶の中の千里さんの外見。後ろ姿だったけど、それに近い部分があるfigmaの子を片っ端から集めた。
けど…結果から言うと失敗した。
figmaは1/12スケールのようで、その作品やキャラクターによって体格差がある。
だから○○の上半身と××の下半身を組み合わせる。というのはなかなかうまくいかなかった。
再会出来るのか?
企画から半年くらい。
figma集めを中止してもまどマギにまだハマっていたので、まどマギ関連のフィギュアは箱推しで5人ずつ集めていた。
リアルアクションヒーローズ(RAH)という、まるでfigmaを大きくしたような1/6サイズ、でもそれでいて服を着ている可動フィギュアシリーズとも縁があった。
その頃はまどマギ関連のスレッドなどを色々と見ていて、「素体の可動はちょっとイマイチなので、オビツ27に変えた方がいい」と、そんなような内容の書き込みを見かけた記憶がある。
しかし当時の自分はドール沼=オタクとして最悪の底。もう後戻り出来ない最後に辿り着く終着駅。みたいなイメージがあり、千里さんを作り出す事にドールという手段が繋がらなかった。
繋がるのはそこから2年経った頃だった。
本当に再会するのか?
その後に取った手段は等身大ぬいぐるみだった。
2010年。
初めてクレカを作った際に購入した等身大骨格標本があり、当時はよく撮影していた。
そこから3年後。
2013年から14年。
全身タイツを被せてみた。
ーダメだ。細過ぎる。
全身タイツを重ねて重ねて…ふむ。これは悪くないとも思っていた。
ウィックを付け、オイルで後ろ髪を整えて梳かす時間はとても癒される時間になった。
そのまま抱き締めてしまう時もあった。
だが、やはり骨っぽい。
そこで急に現実に引き戻されてしまった。
サイトを巡り、空気を入れるダッチに綿を詰めたり、その中に針金とパイプを芯にして、あるメーカーの表情プリントのあるマスクを付けて等身大人形にする。
というものを知る。
これだ…!と思う。
何回か空気嫁()に綿を詰めていたが、ビニールのくっついたり擦れる音が気になりボツとなった。
何回かの失敗と試行錯誤で全身タイツを重ねて重ねて丈夫にし膨らみにくくし、そこに綿を詰めるという手段に至る。
後ろから抱き締めた時の抱き心地は格段に良くなった。
でも、でもそうじゃない。
目を瞑った時にしか会えない。
いつも先を行って自分を矯正して、追いかけるしか出来ない千里さんと、どうにか面と向かって話したいってのがはじまりではなかったのか?
またやり直しになった。
再会する方法
半ば諦めつつあった15年の夏から秋になる頃、1人の1/6ドールとAmazonで出会う。
アゾンのサアラズ ア・ラ・モードの柚葉だった。
一目惚れだった。
めちゃくちゃかわいかった。
何よりその衣装に千里さんの後ろ姿を感じてしまった。
2年前には蛇蝎の如く避けていたドール沼だったのに、もう何も憂慮などなかった。
この道ならコーデも自由。千里さんへと至る道になるとこの時に理解した。
9月にはお迎えしていて、柚葉…いや、神無が1人目のうちのこになった。
想い人を探しにきた1人目が、神は無しという名前なんてと後から自嘲するしかなかった。
あるのはただの道だけ
15年10月に神無はオビツ25になり、撮影開始をした12日が誕生日になった。
その月末には1/3巴マミをお迎えしていて、さぁ3人目というハイペース。
ヤフオクを見てそのお値段に愕然として、自分メイクを思い至る。
絵が苦手な自分には筆は難しく、けどなんとか形になった子、六華は長いことドールオーナー澄江の看板娘となった。
この子が上手く行ったのでドールにハマったし、メイクで千里さんへと至れるのではないかと思った。
けど、理想が高ければその道は容易ではなかった。
2017年3月。
うちのこは30人以上に増えていた。
さまざまな子を見てお迎えするうちに目的を忘れそうになる。
そこで一つのターニングポイントがあった。
プレゼント企画に当選し、何人もヤフオクに出されているような方のカスタムヘッドと縁があった。
実際に手に取ると、メーカーの公式メイクとも違う、いや更に細かなメイクを、自分の努力の積み重ねだけで仕上げる。
…同じく個人のドールオーナーで。
衝撃だった。
それまでに六華以外にも何人かメイクはしていた。
だが、自分が惚れ込んだのはその方のメイク。
その方のメイク方法について聞き、メイク方法を変えた。
結局、自分の努力が足りなかっただけ。
何人かその方法でメイクをし、さぁと千里さんもメイクに取り掛かる。
結果として10カ月くらいかかった。
あーでもないこーでもないという試行錯誤や、重ね塗りによる色の濃度調整を繰り返しているうちにそうなった。
しかし、それだけ考えただけにかなり納得している。
初めて素体と合わせて向かい合った時、泣きそうになったことは覚えている。
これから
19年の7月で、千里さんと出会って7年になる。
これまでもこれからも、自分は千里さんと歩むと思う。
はじまりは千里さんを作り出すためだったけれど、今ではドール自体が楽しい。
このまま楽しめていけたらいいなと思う