少女探偵は憂鬱

少女探偵は憂鬱

今日の依頼人は話が長い

甘いショコララテを飲みながら頷き

大好きな紅茶を嗅ぎながら相槌を打つ

あくびを噛み殺して紅茶をお代わりし

恋する乙女の頰色をしたケーキを平らげても喋り続ける

「あのう、それで依頼はどういうものなのかしら」

「そうそう、秋の夜を探してほしいのですわ」
「秋の夜……」

「お任せください。必ずや探してみせましょう」

帰っていく依頼人の背を見詰めて溜息一つ。
「退屈なお話よりもとびっきり簡単だもの」

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