去年のハロウィンを振り返っていこうと思います。
強い眼差しを持ったドールでマグショットを撮ったら、きっと印象的な写真になるのでは──
それはこの撮影の最初の動機でした。
「マグショット」というからには何かしらの罪を犯しているわけで、スーツ、囚人服…どんなスタイリングをすればより面白いキャラクターになるだろうと熟慮しました。
またかつてからドールに落とし込んでみたい要素として「美容整形」というテーマがありました。
<トリニティ(三位一体)>という名を持った整形依存症の女性…いつかフルチョしたいと考えていた架空のキャラクターがいます。今回はそんな彼女の一部をアベルに演じてもらおう!と閃きました。
こうして誕生したのが
パリの路地裏に現れる美しい悪夢、シリアルキラーアベルです。
世はみな欠けたまま 美しい「ガラクタ」なの──
簡単に恐ろしい嘘を吐いて、出会った人間の「一部」を捥ぎ取ってゆく…そんな猟奇殺人鬼をイメージしました。
ドールを自立させるのが苦手で…。
普段は殆どバストアップしか撮らないのですが、脚に巻いた包帯をどうやったら綺麗に見せられるかなあと試行錯誤したり、勉強になった撮影会でした。
手作りのマグショットボードを持参したのですが
分かりやすい要素がないほうがかえって気味の悪さが
映えると思ったので今回は使用しませんでした。
(ハンドパーツもあえて外しているのですが殆ど見えてないですね。)
ハロウィンらしい写真になったかと言えば課題は沢山残しましたが、季節を意識したテーマを練る楽しさを感じられたこと、殻を破った自分らしい一枚を撮ることは叶った気がして、充実した撮影会になりました。