今日の一服(#抹茶とドール )

今日の一服(#抹茶とドール )

令和二年皐月三十九日(風炉・薄茶)

今日の一服は、草餅と薄茶です🍀
茶碗は少し古い赤楽茶碗。

こちらの茶碗には楽印が堂々と捺されていますが、楽家のものではありません。
ただ、ニセモノというよりは京都でも「楽焼」は焼き物の一般名称とも成るほどの流行があった時期もあり、そんな折に作られたものかもしれません。
その証拠に箱書きもなく、楽家歴代の印にも似せてはいませんし、悪意のあるものではないことは明らかです。
私自身は小ぶりな赤楽が好きで、こういう茶碗を普段使いに愛用しています。

安寿の袱紗を付ける位置が左右反対では?という指摘を受けたことがあります。
三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)では、左腰に袱紗を付けるのが一般的ですね。
私の習っている流派、石州流では右腰に付けます。
藪内流、遠州流、上田宗箇流、金森宗和流などの武家茶道では右腰に袱紗を付けるのが一般的です。

それぞれの流派で所作が違うので、一概にどれが正しくどれが間違っているかは判断ができません。
茶の湯が流行した安土桃山時代には、それぞれの茶人が自身で工夫した所作やもてなしを行っていたようです。
袱紗を付ける位置も千利休の孫、千宗旦は左(勝手側)、千利休の長男の千道安やその弟子は右側(客側)でばらばらです。
何百年の時代を経てお茶を学ぶ我々の所作事が違うのも仕方ないのかもしれませんね。

湖北屋拝

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