いつも通りの。

いつも通りの。

物色

そういやあ、もう彼女をこの部屋に迎えてひと月以上が経ったのだが、まだ彼女が何をしているのか分からない。

気づけば部屋のあちこちを見て回り、ふと見るといつもの棚板にちょこんと腰かけて、すまし顔をしているのだ。

この間も、彼女の服を作るためにと買って隠しておいた布を引っ張り出してきて、机の上で広げてよくよく見ていた。
「きみの新しい服の材料になる布だよ」と教えてやると、少し嬉しそうな顔になって、布にくるまってお決まりのお嬢様ポーズをキメた。

どうぞ撮って、と言われた気がして、写真を撮らせてもらった。
この晩は彼女が夢に出てきた。何だかほっこりさせられた。

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