息を、吸う。

息を、吸う。

アタシにとって唯一、貴方にとって多数

手に入るはずのモノが目の前で奪われたら
──貴方はどう思うかしら…

手が届くはずだった…(届いていたのに)
アタシだけのモノだったの(アタシも貴女だけのモノ…)
──それを奪い取って…アタシから取り上げた男。
『返して』
アタシには───…彼女しかいないの
疎まれて、命を断たれそうになっても
彼女だけが愛してくれた。守ってくれた。

『ねえさま…』「なぁに?」
『…(すきよ)』「私も、好きよ…宵空」

───創(アナタ)には、分からない…。
他者からの敬意や好意。貴方は“与えられている”の。
──だからアタシにしかない存在(モノ)を取り上げないで…

『奪われたら───取り返さないと』

彼女からたった1つ、禁じられた事。
“相反する者との口づけ”
「聖なる者と邪心を持つ者、生者と死せる者…
創造主は相反する者同士が起こす“何か”を警戒しているの」

───約束、したのに。ごめんね…ごめんなさい
『愛しているわ、ねえ様』

今度は貴方から奪ってあげる──何度でも、ね

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